Vol.1 京都ラーメン 祭屋 (2001.8.29掲載)
Vol.2 北のこだわりらーめん 口福 (2001.9月掲載)

 
Vol.3【津気屋ラーメン】
どんぶりの段階で合わせる、ダブルのスープ。
うまみが倍増する、スープの「合わせ」のポイントがコツ
ラーメン 津気屋 (つきや) さいたま市上大久保
 
完熟トマトらーめん
▲「津気屋ラーメン」(680円)。スープは白濁していて、口に含むと強い「うまみ」が口に広がる。トンコツや野菜だけでは出せない舌に残るうまみはダブルスープならでは。
 
入り口
  ▲北浦和駅西口から所沢方向にまっすぐのびる国道463号(埼大通り)沿い。赤い大きなのれんが目印。  
 
スタッフたち
▲店内はレトロな和風の雰囲気。テーブルがゆったりと配置してある。週末は家族連れも多い。セルフのお茶コーナーもある。
 
●埼玉県さいたま市上大久保707
 TEL 048・857・3180
●ランチ11:30〜14:00(土・日・祝〜15:00)、17:00〜24:00
●無休  P5台
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「魚ダシ」とトンコツのダブルスープ。
うまみが強いラーメン

  埼玉大学が近くにあり、学生の街であるこの北浦和周辺は、さいたま市の中でも一つのラーメン激戦区だ。その中で、異色な新しさを放っているのがこの「津気屋」。オープンして約8か月だ。看板メニューの「津気屋ラーメン」は、今人気の「魚ダシ」を使用。トンコツのスープとの「ダブル」のスープでできている。
 「津気屋ラーメン」は、 白濁のスープに、麺は博多めんと中華めんの中間ぐらいの細めストレート。粉を多めに練りこんであり、味がある麺だ。スープは口に含むと、魚ダシの強いうまみが口にバッと広がる。魚くさくはない。喉を通った後でも、舌にうまみが残る。トンコツだけでは出せない味だ。 「うまみについてはずいぶん研究しました。魚ダシとトンコツの合わせ方は特に――。2つのスープの合わせる配合で、ある1点でその2つのスープのうまみがすごく倍増するんです。そのポイントを見つけるのが大変でした」とオーナーの榎本さん。

どんぶりの中でスープが完成!
うまみを倍増させる3つの成分とは…

 榎本さんは飲食店の経験はあったがラーメン店は初めてだった。「ラーメンは奥が深い。おいしければかならず売れる」と都内のラーメン屋を食べ歩いた。そこで目をつけたのが、都内で人気だった「魚ダシ」。まだ「魚ダシ」に抵抗のあるこの埼玉の土地でいかにおいしく食べてもらうか――開店の準備にかけた時間は3か月、寝ないで考えたそう。
 そこでいきついたのが、どんぶりの段階でトンコツと魚、2つのスープを合わせる方法。トンコツと魚はスープを仕込む火力も、時間も違う。
 そして、トンコツと魚はうまみも違う。「うまみには大きく3つのものがあり、そのバランスをとるのが難しいんです」と榎本さん。まず、トンコツや、魚にも少し含まれる「イノシン酸」。魚・鶏ガラに含まれる「グルタミン酸」。そして貝類に含まれる「コハク酸」。この3つのうまみがちょうどよいポイントで合うと、驚くほどそれぞれのうまみが昇華するのだという。 使う魚の種類やスープの配合など、試行を重ね、津気屋ラーメンのスープはできあがった。

まだ一部抵抗がある魚ダシ。
でも、ぜひ挑戦してもらいたい

 ただ、津気屋では「津気屋ラーメン」はラーメンメニューの一番下に書いてある。「まだ魚ダシに抵抗のある方もいるのでは」との配慮からだ。そのほかの醤油、塩、ニンニク味などはすべてトンコツベースになっている。「でも、ぜひ魚ダシの「津気屋ラーメン」に挑戦してもらいたいですね。魚ダシだけのラーメンも計画中です」と。
 そして、 「うちは、ただお客さんが食べて感じたそのままでいいんです。お客さんにはおいしく食べてもらいたいと努力するだけです。ラーメンは価値観で違いがありますから…」 とも。
 サイドメニューは一口餃子のほかご飯が充実。「チャーシューめし」「さけバターめし」「明太子めし」など200円くらい。「津気屋らーめん」とこのミニご飯をセットで注文する人がほとんどだという。